業務委託の作業範囲書(SOW)の書き方:個別契約書の範囲と検収
作業範囲書(SOW)は1つの案件の範囲、成果物、日程、検収、代金を決める書類で、QuoteBillでは個別契約書(業務仕様書)のサンプルにあたります。書く項目、範囲の書き方、3段階の支払い例(2,000,000円)、検収と変更、段階ごとの請求を説明します。
ひと目でわかる
結論:作業範囲書(SOW)は1つの案件の中身を決める書類
作業範囲書(SOW、Statement of Work)は、1つの案件について、何をするか、何を納めるか、いつまでに、どう検収するか、いくらかを書く書類です。多くの場合、責任の上限、秘密保持、権利の帰属のように案件が変わっても同じ条件を定めた基本契約の下に置き、新しい案件のたびに契約書全体を作り直す代わりに、短いSOWを交わします。QuoteBillの日本語のサンプルでは、これを「個別契約書(業務仕様書)」、その上に置く契約を「基本業務委託契約書」と呼んでいます。
よいSOWは、どの日でも、仕事が予定どおり進んでいるか、新しい依頼が範囲内なのか変更なのかを、双方が判断できるくらい具体的です。
作業範囲書に書く8つの項目
QuoteBillの個別契約書(業務仕様書)のサンプルは、次の順に書かれています。
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確かめられるように範囲を書く
範囲があいまいだと、もめごとが起きます。指させる成果物を書き、数で言えるものは数で書き、含まないものは一覧にします。「アプリのデザイン」と「FigmaでiOSとAndroidの画面12枚をデザインし、クリックできるプロトタイプ1つと修正2回を含む。イラストと文章の作成は含まない」を比べると、違いは明らかです。
前提条件にも同じだけ気を配ります。委託者が決まった日までに最終の原稿を渡すことや、既存のシステムに連携できる仕組みがあることを前提に金額を決めたなら、書いておきます。前提が違っていたと分かったとき、SOWはその影響を言い争いではなく変更として扱えます。
計算例:3つのマイルストーンに分けたアプリ開発
制作会社が、予約アプリの最初の版を固定額2,000,000円で受け、マイルストーンごとの検収合格時に支払いを受けることにしました。金額は説明用の例です。委託者は各マイルストーンを10営業日以内に検収し、サンプルでは、その期間内に通知がなければ検収に合格したものとみなします。
途中で委託者が、範囲外と書いてあった決済機能を頼んできました。制作会社は5営業日以内に、追加の費用と日程への影響を書いた変更提案書を送り、双方が書面か電磁的方法で合意してから作業を始めます。
2,000,000円
- マイルストーン1 デザインとプロトタイプ2026年11月20日30% · 600,000円
- マイルストーン2 テスト端末で動くアプリ2026年12月18日50% · 1,000,000円
- マイルストーン3 ストアでの公開と引き渡し2027年1月15日20% · 400,000円
範囲外:アプリ内の決済、管理画面、コンテンツの作成
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| マイルストーン1 デザインとプロトタイプ(期日2026年11月20日) | 2,000,000円の30% | 600,000円 |
| マイルストーン2 テスト端末で動くアプリ(期日2026年12月18日) | 2,000,000円の50% | 1,000,000円 |
| マイルストーン3 ストアでの公開と引き渡し(期日2027年1月15日) | 2,000,000円の20% | 400,000円 |
| 確認 | 600,000円+1,000,000円+400,000円 | 2,000,000円 |
| 範囲外:アプリ内の決済、管理画面、コンテンツの作成。 | ||
検収と変更の実際
支払いは検収で決まるので、具体的にします。基準は合意した仕様書やテスト項目とし、委託者は合格を通知するか不具合を具体的に書いて知らせ、受託者は知らされた不具合を直して再納入し、直した部分だけをもう一度検収します。マイルストーンごとに検収書を受け取っておけば、双方にきれいな記録が残ります。
変更は契約変更合意書に残します。QuoteBillのサンプルは、変更の理由、変更される範囲、代金と支払への影響、日程への影響、すでに行った業務を記録し、それ以外の条件はそのまま維持されることを確かめる作りです。
QuoteBillで作り、マイルストーンごとに請求する
個別契約書(業務仕様書)と基本業務委託契約書のサンプルを公開ページで読み、ログインして空欄を埋めてから電子契約で送ります。「自分の書類から始める」で承諾された見積書やプロジェクト提案書を選べば、取引先と金額の明細が引き継がれます。マイルストーンごとの検収は、検収書テンプレートで記録します。
SOWに署名がそろったら、「この契約書から請求書を作成」で「一部のみ」を選び、「金額に対する割合(%)」にマイルストーンの割合を入れて請求します。電子契約は監査ログ付きの簡易な電子署名で、高度電子署名や適格電子署名ではなく、QuoteBillは署名者が誰かを確認しません。それで足りるかどうかは契約と国によって異なります。サンプルの文面は法的助言ではありません。
個人のフリーランスに発注するときに示す取引条件は「フリーランス法の取引条件の明示」、紙で交わす契約書と収入印紙の関係は「電子契約に収入印紙はいらない?」のガイドで説明しています。
署名前のチェックリスト
署名する前に、次の問いを持ってもう一度読み直します。
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よくある質問
SOWと契約書は、何が違うのですか?
SOWも契約の書類ですが、扱うのは1つの案件です。一般的な条件は基本契約に、案件ごとの細かい内容は、基本契約を参照するSOWに書きます。
SOWを使うには、基本契約が必ず要りますか?
必ずではありません。案件が1つだけなら、同じ内容を書いた業務委託契約書で足ります。同じ取引先と何度も案件を進めるときに、基本契約が生きてきます。
固定額と実働時間の精算は、どちらがよいですか?
範囲がはっきりしていて変わりにくいなら固定額、そうでなければ実働時間にし、委託者の書面での同意なしには超えない見積りの金額を決めておきます。
委託者が納品物に返事をくれないときは、どうなりますか?
QuoteBillのサンプルでは、検収の期間内に通知がなければ合格とみなします。どの書式を使う場合も、返事がないことが何を意味するのかを書いておきます。
サンプル契約書・書式・ツール
無料の見積書・請求書・領収書テンプレート536種
プロジェクト提案書テンプレート
範囲、成果物、スケジュール、価格を段階ごとの明細に記載する短いプロジェクト提案書テンプレート。提案書は確定した見積りではないため、承諾後に見積書で確定してください。
検収書テンプレート
納品した物品や完了した作業を、顧客が検収して受け入れたことを書面で確認する検収書テンプレート。品目、検収日、是正が必要な事項、署名欄を備えています。記載内容を記録する書類です。
ソフトウェア開発見積書
要件定義、機能開発、受入テストなどの項目をあらかじめ用意したソフトウェア開発見積書です。範囲と数量、単価、有効期限を入力し、合意後はそのまま請求書に変換できます。