見積書と請求書の違い:役割・タイミング・書き方

見積書は提案、請求書は支払いの依頼。目的、出す時期、日付と金額の違いを比べ、コンサルティングの例(1,200,000円)とQuoteBillでの作成の流れで、どちらを出すべきかを判断できます。

ひと目でわかる

読了目安 約6分

結論:見積書は提案、請求書は支払いの依頼

見積書は、これから提供する商品やサービスの内容と価格、条件を相手に示して、発注するかどうかを判断してもらうための書類です。請求書は、合意した金額の支払いを求める書類です。宛名や品目は同じでも、相手に期待する次の行動が違います。見積書なら「検討して返事をする」、請求書なら「期日までに支払う」です。

この区別は実務上の説明で、法的な効力を保証するものではありません。書類のタイトルだけで契約の成立や請求の要件が決まるわけではないので、取引の条件や必要な記載事項は別に確認してください。取引先が決まった様式や証憑を求めるときは、その指示に合わせます。

書類の流れ
  1. 見積書このガイド
  2. プロフォーマインボイス
  3. 請求書このガイド
  4. 領収書
  5. クレジットノート
目的
見積書は提案と価格の提示、請求書は合意した金額の支払いの依頼。
出す時期
見積書は受注の前、請求書は合意した請求のタイミング(着手時、中間、納品後)。
番号
見積番号と請求書番号は別の系列。請求書に見積番号を書いて対応づけます。
日付
見積書には発行日と有効期限、請求書には発行日と支払期日。
金額
見積書は提案額の全体、請求書は今回請求する分(内金と残金に分けるなら、その分だけ)。
相手の次の行動
見積書は承諾の返事、請求書は期日までの振込。

見積書で提案の範囲と条件を決める

相手が価格と作業範囲を見て進めるかどうかを決める段階では、見積書を出します。発行者と宛名、見積番号、発行日、提示した条件を維持する期限としての有効期限を書きます。成果物、数量と単位、単価、割引、含まれないものを、相手が他社の見積と比べられる程度に具体的に書きます。

有効期限は「この条件で提案している期間」であって、支払期日ではありません。原稿は相手が用意する、修正は2回まで、出張費は別、といった前提も書いておきます。修正版を何度か出したときは、相手がどの版を承諾したかが分かるように、番号と承諾の記録を残します。

請求書で合意した金額を請求する

請求書は、相手と合意した請求のタイミングで作ります。着手金、工程の完了時、納品後の一括など、取り決めによって変わります。請求書には固有の番号と発行日を付け、今回請求する金額、支払期日、振込先を書きます。契約全体の金額と今回の請求額が違うときは、その理由が読み取れるようにします。

請求書を作ってPDFにしても、入金があったことの証拠にはなりません。入金の有無は通帳や決済サービスの記録で確認します。一部だけ請求するときは、どの作業の分かを書き、前回の請求や受け取った内金との関係を説明します。承諾された見積書をこっそり書き換えて、新しい請求額の根拠にしないでください。

例:コンサルティングの提案から請求まで

説明用の例として、コンサルタントが発見ワークショップを400,000円、報告書の作成を800,000円で提案したとします。税抜の合計は 400,000 + 800,000 = 1,200,000円 です。見積書にはワークショップの時間、報告書の形式、相手が用意する資料も書きます。相手は価格だけでなく、何を受け取れるかを確認したうえで検討できます。

納品後にまとめて支払う合意なら、請求書には完了した2つの項目をそのまま載せます。ワークショップの完了時に先に請求する合意なら、最初の請求書はその分の400,000円だけを請求し、報告書の分は納品後の請求書に回します。金額は書類の構成を示すための例で、税の扱いや推奨価格ではありません。

注文書・納品書・領収書との関係

日本の商取引では、見積書と請求書の間に注文書(発注書)や注文請書、納品書が入り、入金後に領収書を出す流れがよくあります。見積書で条件を示し、注文書で相手が発注し、納品書で納めたものを示し、請求書で支払いを求め、領収書で受け取ったことを示す、という順番です。すべての取引にすべての書類が必要なわけではなく、相手の経理の慣行に合わせます。

どの書類にも共通して書くのは、発行者と宛名、日付、品目、金額です。書類が増えるほど、番号で相互に参照できるようにしておくと照合が楽になります。書類の種類ごとの役割は「請求書の種類一覧と使い分け」のガイドで、見積書と概算見積の違いは「見積書と概算見積の違い」のガイドで扱っています。

QuoteBillで2つの書類をつなげる

新しい提案には見積書のテンプレート、支払いの依頼には請求書のテンプレートを選び、サインインして編集します。QuoteBillでは見積書の「有効期限」と請求書の「支払期日」は別の入力欄です。意味が違う日付なので、片方の書類で見た日付をそのままもう片方に写さないでください。

ワークスペースに承諾された見積書があれば、それを開いて「請求書を作成」を選びます。元の見積書はそのまま残り、新しい請求書の下書きができます。発行日は請求書を作った日になり、支払期日はその30日後が初期値です。品目と金額を確認し、クラウドに保存してからPDFを用意します。請求書を作ること自体は、相手の承諾や入金を確認する操作ではありません。

どちらを出すか:判断リスト

相手に次にしてほしいことから書類を選びます。送る前に、合意の内容とプロジェクトの記録と照らし合わせて確認してください。

作業範囲や価格を決めてほしいとき
前提条件と有効期限を書いた見積書を用意します。
合意した時期の支払いがほしいとき
今回の金額と支払期日を書いた請求書を用意します。
作業範囲が変わったとき
変更内容を記録し、合意を取ってから請求に反映します。
入金があったか知りたいとき
保存や印刷の有無ではなく、入金の記録を確認します。

よくある質問

見積書をそのまま請求書として使えますか?

使えません。見積書は相手が承諾した提案の記録で、請求書には請求書としての番号と発行日、支払期日が必要です。見積書をもとに新しい請求書を作り、備考に見積番号を書いて対応づけます。

見積書と請求書の金額は同じでなければいけませんか?

今回請求する作業について合意した金額と一致している必要があります。作業範囲や価格が途中で変わったなら、変更の合意を残し、新しい金額を請求して、その理由が分かる一行を添えます。

請求書を出すのは納品の前ですか、後ですか?

取り決めによります。着手金や中間金を請求する合意があれば納品前に出せますし、納品後の一括請求なら納品後です。どの段階の請求かを請求書に書いておくと、後で金額を照合しやすくなります。

見積書に有効期限を書く必要はありますか?

多くの取引では任意ですが、書いておくと、価格を改定したあとに古い見積書で発注されるのを防げます。有効期限は提案を維持する期限で、支払期日ではありません。

次のステップ:電子契約で署名をもらう

無料の見積書・請求書・領収書テンプレート536種

  • 無料見積書作成ツール

    作業範囲、数量、単価、有効期限を入力して見積書をオンラインで作成できます。合意した見積書はワンクリックで請求書に変換。無料の会員登録だけでお使いいただけます。

  • 空白の請求書テンプレート

    商品またはサービスなどの項目をあらかじめ用意した空白の請求書テンプレートです。数量と単価、税率を入力し、内容を確認したらPDFとして保存できます。

  • コンサルタント向け請求書テンプレート

    時間単価またはプロジェクト単位のコンサルティング業務、調査、報告書納品の請求書を作成できます。支払条件を加え、合計を確認してPDFに出力しましょう。

  • プロフォーマインボイステンプレート

    出荷前に品名・数量・単価・貿易条件・有効期限を示すプロフォーマインボイスの無料テンプレート。前払いや輸入許可の手続きに使え、英語など33言語で作成できます。