動画編集の業務委託契約書:修正回数・納品データ・権利の決め方

動画編集を外注するときにクリエイターと編集者が決めること。編集に含む作業、修正回数、完成動画とプロジェクトファイルの権利、AIツール、パスワードを渡さないアクセス、音楽のライセンスと月額の計算例。

ひと目でわかる

読了目安 約6分

計算例 3か月目、最後の請求書:96,000円−28,800円=67,200円(前払金を差し引いたことを書き添える)

結論:動画編集を外注する前に決めること

編集者を探すクリエイターも、チャンネルの仕事を受ける編集者も、次の点を契約書に書いておきます。動画の形式と本数、編集に含む作業、納期、修正の回数、報酬と前払金、完成した動画とプロジェクトファイルの権利、AIツールの使い方、パスワードを渡さずにアクセスする方法、音楽やストック映像のライセンス、秘密にすることです。

もめごとの多くは三つの穴から生まれます。終わりの見えない修正、撮影素材とプロジェクトファイルの権利のあいまいさ、パスワードを共有して済ませたチャンネルへのアクセスです。

編集に含む作業と納期

「編集」とだけ書かず、作業を並べます。QuoteBillの「動画編集者との契約書(YouTube・TikTok・ショート動画)」のサンプルは、カット編集とテンポ、字幕とその言語、サムネイルとその枚数、色補正、音声の整音とミキシングを、一行ずつ含むか含まないかで決めさせます。プラットフォーム、長尺か縦型のショート動画かといった形式、ふだんの長さ、月あたりの本数も書きます。

納期は素材を基準に決めると守りやすくなります。サンプルでは、素材がすべて届いてから3営業日以内に初稿を、クリエイターの承認か最後の意見から2営業日以内に最終版を納め、素材や意見が遅れればその分だけ日程が延びます。

修正、データ、権利

初稿を受け取る前に、次を決めておきます。

  • 動画ごとの修正の回数と、1回分の意見は一つの一覧にまとめて送るという決まり。サンプルでは修正は2回で、意見は編集版を受け取ってから5営業日以内に送ります。
  • 編集者自身の誤りを直すことは、修正の回数に数えないこと。
  • 追加の修正や、承認後に別のプラットフォーム向けに作り直す作業は、決めた料金で請求すること。
  • 完成した動画の権利は全額の支払いでクリエイターに移り、それまでは確認と承認のためにだけ使うこと。
  • クリエイターの撮影素材、音楽、ブランド素材はクリエイターのもの、編集者のプリセット、テンプレート、ノウハウは編集者のものであること。
  • プロジェクトファイルを渡すかどうか、どの形式で渡すかを、思い込みにせず書いておくこと。

AIツール、アカウントへのアクセス、音楽

サンプルは、編集者が文字起こし、字幕、ノイズ除去、高解像度化など、どのAIツールを何に使うかを先に知らせ、クリエイターの同意がない限り、未公開の動画を、それを保存したり、モデルの学習に使ったり、他人に見せたりするサービスにアップロードしないよう求めています。AIで作った部分や変えた部分も知らせ、プラットフォームや法令が求めるときにクリエイターが表示できるようにします。

クリエイターがパスワードや2段階認証のコードを渡す必要はありません。ファイルは共有フォルダかダウンロードリンクでやり取りするか、プラットフォームのロールの機能で編集者に限られた権限を与え、いつでも取り消せるようにします。音楽、効果音、ストック映像、フォントにはライセンスが必要なので、誰が取得するかを決め、クリエイターが承認していない素材は加えません。

計算例:ショート動画の月額パッケージ

クリエイターが編集者に、縦型のショート動画を月8本、3か月頼みます。金額は説明用で1本12,000円、字幕込み、修正は1本につき2回とし、いずれも消費税抜きです。サンプルどおり、作業の前に前払金30%を払い、それを最後の請求書から差し引きます。

1か月目に、クリエイターが2本で3回目の修正を頼み、1回2,500円で合意しました。この修正はその月の請求書に別の行として載せ、パッケージの金額が読み取りやすいままにします。

計算例:ショート動画の月額パッケージ
項目計算金額
月額パッケージ8×12,000円96,000円
作業前の前払金30%96,000円×0.3028,800円
1か月目の追加修正2×2,500円5,000円
1か月目の請求書96,000円+5,000円101,000円
3か月目、最後の請求書96,000円−28,800円67,200円(前払金を差し引いたことを書き添える)

QuoteBillで契約し、請求する

動画編集者との契約書のサンプルは、公開ページに載っている全文に目を通します。撮影から編集までまとめて頼む仕事なら「映像制作契約書」のほうが合います。ログインして空欄を埋め、電子契約から編集者に送ります。署名は監査ログ付きの簡易な電子署名で、高度電子署名や適格電子署名ではありません。QuoteBillは署名者が誰かを確認しないため、これで十分かどうかは契約と国によって異なります。サンプルの条文は法的助言ではありません。

月々の請求書は「動画編集請求書」のテンプレートで、動画ごとの金額を並べます。QuoteBillにはマイナスの金額の行がなく、前払金を自動で差し引くこともしないので、差し引いた前払金は「備考」に書くか、前払金を別の請求書で受け取り、残りを最後の請求書で請求します。編集料から源泉徴収が必要かどうかは「請求書の源泉徴収」で調べ、単価は差し引かれる前の額で取り決めます。仕事を頼む側が示す取引条件については「フリーランス法の取引条件の明示」を読んでください。

最初の動画の前のチェックリスト

クリエイターと編集者が一緒に確かめる短い一覧です。

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よくある質問

編集した動画の権利は誰のものですか?

QuoteBillのサンプルでは、動画の代金を全額払うと、編集者の作業で生じた権利がクリエイターに移ります。法律が移転を認めない場合は、クリエイターに期間の制限のない独占的な利用が許諾されます。

プロジェクトファイルも渡す必要がありますか?

契約書に書いた場合だけです。プロジェクトファイルには編集者自身のプリセットや作業が含まれるので、完成動画だけを納め、プロジェクトファイルには別に値段を付ける編集者が多くいます。

編集者は私の動画にAIツールを使えますか?

サンプルを使うなら、どのツールを何に使うかを先に知らせる必要があり、同意なしに未公開の素材を、保存や学習に使うサービスへアップロードすることはできません。

動画に著作権の申立てが来たら編集者の責任ですか?

サンプルでは、音楽や素材を取得した側がそのライセンスに責任を持ち、問題になった素材の差替えは、決めた料金で編集者が手伝います。

サンプル契約書・書式・ツール

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無料の見積書・請求書・領収書テンプレート536種

  • 動画編集請求書テンプレート

    完成尺1分あたりまたは1本あたりの編集料、サムネイル・字幕制作、追加の修正を項目ごとに記載する動画編集者向けの請求書テンプレート。Word・Excel・PDFに対応。

  • 動画制作見積書

    撮影台本作成、ロケ撮影、最終編集などの項目をあらかじめ用意した動画制作見積書です。範囲と数量、単価、有効期限を入力し、合意後はそのまま請求書に変換できます。

  • ポッドキャスト編集請求書

    音声ノイズ除去、エピソード編集、ショーノート作成などの項目をあらかじめ用意したポッドキャスト編集請求書です。数量と単価、税率を入力し、内容を確認したらPDFとして保存できます。