クレジットノートとは|デビットノートとの違い・書き方と返還インボイス

クレジットノートの意味と使いどころ、デビットノートとの違い、記載する項目と返品の計算例、インボイス制度の返還インボイス(1万円未満の交付義務免除を含む)との関係を解説します。

クレジットノートとは

クレジットノートは、売手がすでに発行した請求書の金額を減らすときに出す書類です。返品、納品後の値引き、提供しなかったサービスの取消し、請求額の誤りなどが理由になります。クレジットノート自身の番号を付け、どの請求書を訂正するのかを明記します。

海外との取引で特によく使われ、受け取った買手は次回の支払いから差し引く(相殺する)か、返金を受けます。送った請求書を書き換えて送り直すと、同じ番号の書類が2種類出回り、先方の経理が照合できなくなります。元の請求書はそのまま残し、減額はクレジットノートで示すのが基本です。

デビットノートとの違い

デビットノートは反対方向の書類です。売手が請求書に上乗せして請求するとき(運賃や数量の差額など)に使うほか、返品した買手が売手に減額を求める通知として出す場面もあります。

取引先や業界によって使い方が違うため、「何のための書類か」を本文に一文で書いておくと行き違いがありません。名称よりも、どの請求書のどの金額をどう変えるのかが伝わることが大切です。

クレジットノートに書く項目

様式は法律で決まっていませんが、相手の経理が元の請求書と照合できることが最低条件です。適格請求書発行事業者であれば、次の項目をそろえることで後述の返還インボイスの記載事項も満たせます。

  • クレジットノートの番号と、返品や値引きを行った年月日
  • 発行者の氏名または名称と登録番号(T+13桁)
  • 元の請求書の番号と、元の取引を行った年月日
  • 減額の理由(返品、値引きなど)と対象の品目・数量
  • 税率ごとに区分した減額の合計金額(税抜または税込)
  • 税率ごとの減額に対応する消費税額等、または適用税率

返還インボイスと1万円未満の免除

適格請求書発行事業者が返品や値引きなどで売上げに係る対価の返還等を行ったときは、原則として適格返還請求書(返還インボイス)を交付する義務があります。クレジットノートに必要な事項が書かれていれば、それがそのまま返還インボイスになります。

ただし、返還等の金額が税込1万円未満であれば、返還インボイスの交付義務は免除されます。判定は返品や値引きの税込価額で行い、令和5年10月1日以後に行った売上げに係る返還等が対象です。

計算例:40台のうち5台が返品

請求書 INV-2026-0042 で展示台40台を1台2,500円で請求しました。本体100,000円に消費税10%の10,000円を加え、合計110,000円です。そのうち5台が破損して返品されました。

クレジットノート CN-2026-0007 では、5台×2,500円=12,500円と消費税1,250円、合計13,750円を減額します。税込1万円以上なので、返還インボイスの記載事項が必要です。請求残高は110,000円-13,750円=96,250円です。返品が3台(税込8,250円)だけなら、交付義務は免除されます。

返金か相殺か

クレジットノートは「減額した」ことを記録する書類で、お金を動かすものではありません。未払いなら請求額から差し引いて支払ってもらい、支払済みなら返金するか次回の請求と相殺するかを取引先と書面で決め、どちらにしたかを記録に残します。

請求書そのものが誤っていた場合(宛先違いなど)は、全額を減額するクレジットノートを出したうえで、新しい番号の請求書を発行し直すのが分かりやすい方法です。

QuoteBillでの作り方

発行済みの請求書を開き、「この請求書のクレジットノートを作成」を選びます。同じ取引先と明細を写した下書きが開き、新しい番号と元の請求書の番号が入ります。元の請求書は変更されません。

明細を実際に減額する分(例では40台を5台)に直し、備考に元の請求書の日付と理由を書きます。登録番号は自社情報に入力してください。QuoteBillは1通の書類に1つの税率しか適用できないため、8%と10%の品目が混ざった請求書の返還インボイスは作れません。その場合は税率ごとの区分に対応した会計ソフトなどを使ってください。

  • 番号と発行日がクレジットノート自身のものになっているか
  • 元の請求書の番号と取引年月日が書かれているか
  • 実際に減額する品目と数量だけが明細に残っているか
  • 消費税が元の請求書と同じ税率で減額されているか

参考資料

無料の見積書・請求書・領収書テンプレート140種

  • クレジットノートテンプレート

    発行済みの請求書は修正せず、その番号と理由を記載して減額または取り消しを行います。

  • 無料請求書作成ツール

    品目、数量、単価、税額を入力し、プレビューで確認してPDFとして保存できます。支払条件と支払期日もあわせて記載できます。

  • 領収書テンプレート

    受け取った支払いの日付、支払方法、対象の請求書、金額を記録し、PDFとして保存できます。